Vol.554 わかりやすい決算書本/やさしい決算書本


「わかりやすい決算書本、決算書入門書」とはどういう本なのか、考えてみた。

「わかりやすい」を調べると辞書には次のように載っています。

 

『「わかりやすい」とは、

 理解することが簡単で煩雑さや複雑さがないこと。』

 

決算書の入門書といった類の本は、

 

会計の基礎知識がない人でもすらすら読める本

決算書とは何かが短時間でわかる本

 

ということになるのだろうが、

その分、もの足りないと感じる人もいる。

かといって、いきなり難しい本も読めない。

 

物理学者の三中さんは自身の著書で

「わかりやすい本とは流動食のような本」と言っている。

健康なひとにとって流動食は美味くない、

知的刺激が乏しい本ということなのだろう。

 

わかりやすい、やさしい決算書本を読んで、

 

ああ、わかりやすかった

なるほど、納得した

 

と思えば、その本は読んだ人にとって

「わかりやすくやさしい本」ということになるのだが、

決算書を活用する目的によって、

やさしいか、わかりやすいか、もの足りないか、違ってくる。 


今回は、「社長が読む決算書本」に焦点を当ててみる。

 

「経営者には決算書の知識は必要だ」という人もいれば、

「経営には決算書の情報は欠かせない」という社長いるはず。

 

ところが、これから決算書を理解したいと思っている社長は、 

 

「決算書に関する知識を身につければ、その先何が起きるのか」

 

 おそらく想像がつかないと思う。

なぜなら、学んでみなければわからない部分が多すぎるからだ。

 

では決算書を理解し、モノにできれば経営にどのように役立つのだろうか?

そして、決算書とはそもそも何なのだろうか!

 

決算書ができ上がるまでの「過程」にヒントがありそうです。

簡単にまとめたのがこちら。

 ⇒ https://www.mxpro.jp/vol-554-1 


この記事を読んで、「おっ!」と気づいた人もいると思う。

この流れは“MG研修”そのものなのだ。

MG研修では、経営の流れの中で会計を学ぶ。

会計や決算書の知識だけを学ぶのとは背景が異なる。

だから多くの参加者は、

 

「決算書は会計情報のホンの一部にすぎない」

 

ということを、研修の中で身をもって体験することになる。

決算書は、1年間の“この流れの結末”を、

会計のルールに従って作成した外部への「結果報告書」なのだ。

 

社長が「決算書を経営に活用する」ということは、

「未来の意思決定に向けて使う」ということ。

本やセミナーで得た知識を駆使して「未来を数字で考えられるようになること」。

 

そのためには決算書の知識だけでは不十分、

「会計の仕組み」そのものから学ばなければならない。


9月に東京で開催したMG研修の参加者から、次のように聞かれた。

 

「ウノさんは日々企業で発生した取引が、

 B/S・P/L・C/Sのどの部分に影響するのか(どこが増えてどこが減るのか)、

 瞬時にわかるんですよね」

 

この質問で、どきっとさせられた。

 

「なるほど、私の中ではあたりまえのこの感覚は、

 会計に詳しくないひとたちとっては、あたりまえではない」

 

この質問のおかげで、私自身次のステップに進むことになる。

 

ということは、

 

もし、この感覚を身につけることができたら、

会計情報(決算書ではなく)を経営に活用する第1歩になるはず。

社長が未来を考えるうえで、役に立つに違いない。

 

そのために社長たちは、

“経営に使える会計”をどのように習得していけば良いのか。

 

この部分に焦点を当てた講義を組み立ててみよう!

 

それに気づかされた質問だったのだ。

 

この感覚は、

本を読んだだけでは、座学に通った程度では、

けっして身につかないのである。

 

(つづく)

 

 

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【発行元】株式会社アイティーエス 
【発行責任者】宇野 寛
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