Vol.534 どうやったら決算書をモノにできる?!・マトリックス会計の役割

■今回のテーマは、

「どうやったら決算書(会計)をモノにできる?!」

そして

「マトリックス会計の役割」


地元山形の書店に行ったとき、

久しぶりに会計本のコーナーに立ち寄ってみた。

「2023年版決算書」の本が2冊並んでいます。

「よくわかる決算書入門」の類の本です。

 

著者のひとりは税理士、もう一人は公認会計士。

もくじを見比べると2冊ともまったく同じ内容です。

・決算書とは何か

・貸借対照表

・損益計算書

・キャッシュフロー計算書

そのあとに決算書分析、有名企業の決算分析事例と続きます。

 

題名のとおり「決算書の本」なのですが、

今回、気がついたことがあります。

この発見は、私にとって「目からウロコが落ちた」状態。

どういうことか、というと、

 

「決算書に関する本」は、

「決算書の本」であって、

「会計の本ではない」ということ。

 

もうひとつ、

会計や決算書を学びたい人たち(注1)

決算書本や会計本を読んで挫折(注2)する理由が見えてきたから。

 

注1)明確な目的をもって学ぶ人たちを除きます。

注2)ここでの「挫折」とは、

中小小規模企業の社長たちは決算書くらい読めるようにならないと、

と学びはじめたときに味わう挫折です。

 

もし、決算書を経営に活用するのであれば、「会計のしくみ」から学ばなければなりません。

決算書本は、会計の一部を切りとって説明しているだけだからです。

 

知識や手法を解説している決算書本から、

経営に活用できるようなアイデアや発想は生まれるか、疑問です。

だからここからは、決算書ではなく会計の話をします。

 

では、なぜ、多くの人が会計(決算書)でつまづくのか!

なぜ、会計に興味をなくすのか!!

 

40数年まえ、当時私が会計を学ぶ過程で挫折した経験をもとに

「その理由」を考えてみました。

           ・

(その1:会計本そのものがおもしろくない)

決算書そのものに疑問をもたない人たちが書いているから。

書いている人が「わかった」と思ってしまったから。

 

どうすれば読者が興味をもつようになるのか、

「その先を読んでみたい!」と思わせるのか、

著者の発想力、創造(想像)力が問われます。

書く側の責任は大きい。

会計に対する視点、立ち位置を変えるアイデアが必要です。

マトリックス会計がこの役割を担うのですが、別の機会にします。

 

(その2:会計を知識だけで学ぼうとするから)

その2は学ぶ側の問題です。

理屈だけで、座学だけで会計は修得できません。

挫折する人たちの多くは、頭で会計(決算書)を学ぼうとします。

 

テキストを読んだだけではエクセルを使えるようにはならない。

英語の授業でイイ点数をとっても会話はできない。

この当りまえのことが、

決算書本に関しては、なぜか、当たりまえではないのです。

 

(その3:決算書の活用方法を具体的にイメージできない)

決算書本を買ってきて読むのですが、

専門用語が邪魔をしてぜんぜん先に進みません。

大企業の分析事例は、私にとっては別世界の話にしか聞こえない。

だからピンとこない。

書く側に工夫が足りない。(私の個人的な感想)

 

 

■では、どうやったら会計(決算書)をモノにできる?!

そこで今回のテーマ、「マトリックス会計の役割」。

マトリックス会計の役割は大きく分けて2つあります。

 

ひとつ目は、経営情報としての会計からの視点。

たった1枚のシートには前期と当期のB/Sが含まれている。

さらに、当期のB/Sに至る過程がわかる仕組みが入っている。

会計で重要なのは決算書ではありません。

資金や売掛金、買掛金や借入金の動きです。

 

ふたつ目は、

会計を修得する(習って覚え込む)ための強力なツールの役割。

 

1.決算書や会計の本を読んで挫折した

2.会計を学んで仕事に活かしたい

3.「仕事(経営)に活かす」ってどういうことなのか?

4.「経営に使える会計情報」って何なの?

 

今回のメルマガは、

1から4のいずれかに該当する人に読んでもらいたい内容です。

 

では、

「3.仕事(経営)に活かす」とはどういうことなのか?

 

「とりあえず会計本を読んで何に使えるか考えよう」

と思う人もいるでしょうし「仕事上必須だ」という人もいるはず。

「活かす」内容は人によって当然異なります。

 

そして「4.経営に使える会計情報」です。

すでに具体的なイメージがあって目的が明確な人は、

今回読んでほしい対象から外れてください。

 

それ以外の人は、

これから「会計を学ぶ目的」を探り出さなければなりません。

そこまでして会計を学ばなくてもイイ、という人も対象から外れます。

 

 

■では、どうやって探り出すか!

そもそも会計の基礎知識がないので、

使い方を想像できないのは当然です。

 

何をしたらいいのかわからない状態で

会計や決算書本を読んでもピンとこないし、

会計用語はわからないし、

私が経験したような挫折を味わうことになるのです。

 

じゃあ、会計に詳しい税理士や会計士はこれらをイメージできるのでしょうか?

そうとはかぎりません。

決算書を作ることと、それを活用することとは別次元の話だからです。

 

この先MG研修の話が出てきますが、

なあに、これまでさんざん調子のいいこと言って!

要するにウノさんはMGの宣伝をしたいだけ?

MG研修の話はイイや!

と思った人は対象から外れてください。

 

これでだいぶ絞り込まれてきました。

 

なぜMG(MQ戦略ゲーム)の話をするのか!

マトリックス会計の役割のふたつ目、

「会計を修得する(習って覚え込む)ための強力なツール」

と深く関係するからです。

 

 

■会計を学ぶ方法は2通りあります。

 

1.体系的に学ぶ

2.興味のある部分から学ぶ

 

1の学び方を思い浮かべてみてください。

「体系的に学ぶ」は、座学に通い「カリキュラムどおり」に学ぶや、

会計本で「本のもくじどおり」に独学で学ぶ方法を想像する人も多いと思います。

冒頭で紹介した「2023年版決算書」を読む場合がこれに該当します。

 

会計に携わっている人たちは1の方法で学んだ人が多いはず。

40数年まえ、当時私が会計を学ぶ際にも1の方法でした。

しかし、これで挫折したのです。

 

そしてある日、

 

「体系的に学ぶ」の意味がまったく違っていることに気づいたのです。

 

はじめて自転車に乗れたときのことを思い出してほしい。

最初はふらふらしながら、

後ろをおさえてもらい、

あっちにぶつかり、こっちに転び、失敗しながら、

実地体験したはずです。

 

ところが、

ある日、突然、スーッと乗れるようになる。

 

ここに会計(決算書)を修得する【大きなヒント】がありそうです。

 

 

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