この2つ事例を見ると、たしかに粗利率は上がっています。ところがどちらも変動費の金額が減っているのです。仕入は“相手の売上”です。“仕入を減らす”ということは相手に値引きを要求すること、自社の商品や製品の品質を下げることです。
世の中で言われている
「粗利率をたった1%上げるだけで、原価率をたった1%下げるだけで、利益は300万円も増える!」
というような話や
「粗利率の良い製品を重点的に売れば利益は増える」
「粗利率を上げるには粗利率の良い商品を売ればいい」
のような話は、ほんとうなのでしょうか?
MQ会計に当てはめて考えると疑問や矛盾点が見えてきます。Gは経常利益ではありません。決算書の利益とMQ会計のGは“ベツモノ”です。
「粗利率を上げれば利益が増える」という発想そのものが、“利益を増やすアイデア”を阻害しています。数字上の話、机上の空論です。