第5章・社長のための戦略MQ会計
管理会計の本に載っている問題です。管理会計を学んだ経験がある人は、「変動損益計算書(※1」を思い浮かべます。そしてこの問題をつぎのように考えます。
(計算過程)
・売上高が1000万円、変動費が600万円
ということは変動費率が60%(変動費÷売上高×100)
・売上が1割減って900万円
・変動費率が60%だから変動費は540万円(900万円×60%)
・限界利益は売上高900万円から変動費540万円を引いて360万円
・固定費300万円は変わらないので利益は60万円
セミナーなどで機会があるたびにこの問題を出すと、会計に携わっている人は100人中99人が自信満々に答えます。「利益は40万円減って60万円になります」
管理会計のCVP分析(※2では費用を変動費と固定費に分けることで収益構造(利益を生み出す構造)の分析を試みます。
次の問題です。
変動損益計算書を右の図形にして、「戦略会計表」や「未来会計図」などと言っているものを見かけますが、MQ会計ではありません。売上高をPQ、利益をGと置き換えただけ。この図からは会計と同じ発想しか生まれません。それが次ページの解説です。
※1)変動損益計算書:損益計算書(P/L)に記載されている費用を変動費と固定費に分けて作成する損益計算書です。
※2)CVP分析:Cost-Volume-Profit Analysis を略したもので、コスト(Cost)販売量(Volume)利益(Profit)それぞれの頭文字を取ったものです。費用を変動費と固定費に分解し損益分岐点分析を行う手法のひとつです。
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