第1章・決算書の正体

4 売上原価

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◆実地棚卸のはなし(その1)

 これから紹介するのはフィクション、架空の話です。勉強のためだと思って、少しの間「倫理・道徳」は忘れてください。

 Aさんはコンビニの店員です。今月は会社の決算、店内とバックヤードの商品の棚卸(たなおろし)を任されました。

社長から次のように言われました。

「もし、決算で利益が出たら"臨時ボーナス"を支給します」

「だからきちんと数えてください」

「えっ、臨時ボーナスがもらえるんだ。がんばって棚卸をしよう!」

 

 棚卸が終わったあとに休憩をしていると、倉庫の片隅にまだ数えていない商品があることに気づきました。ざっと見ただけで500個はありそうです。

「ちょっと待てよ、、、」

「利益が出ればいい思いができる」

 臨時の収入はとても魅力的です。よこしまな考えが一瞬Aさんの頭をよぎります。

この500個は追加したほうがいいのか、

それとも、このまま追加しないほうがいいのか、、、

 

 では、ここで質問です。

あなたがAさんだったら臨時ボーナスをもらうためにどちらを選ぶでしょうか?

1.この500個を追加して報告する

2.追加しないでこのまま報告する

 

「こんなストーリーはありえない」ということは置いといて、少しの間「倫理・道徳」は忘れて勉強のためだと思って考えてみてください。

 

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